学資保険は必要?知っておきたい4つのポイント

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学資保険は必要?

学資保険は、我が子が生まれるにあたって加入を検討する方がとても多い保険商品です。

 

ある統計によれば、約70%ものご家庭で学資保険に加入しているとされており、加入しない型の方が圧倒的に少数派なのが現状のようです。

 

しかし、中には本当に学資保険が必要なのだろうか?と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、学資保険の必要性について判断する上で重要な4つのポイントを、なるべくわかりやすくお伝えしていきたいと思います。

 

 

学資保険の要点

 

学資保険は、将来の学費の積立を目的とした保険商品です。

保険料を支払っていくことである年齢になった時に祝い金・満期金などの名目で給付金が受け取れるようになります。

 

もちろん、必ず加入しなくてはならないというものではありませんし、どれでもいいから加入しておけば何があっても大丈夫、というわけではありません。

 

ただ現実として、貯蓄が後回しになったり、確実に積み立てていくことが難しい場合も充分に想定されます。

 

そんな時、将来の学費を確実に積立をするための有効な手段とされているのが、学資保険なのです。

冒頭でもご紹介したように、学費の貯蓄方法といえば学資保険、というご家庭が大多数を占めています。

 

ところが最近は、まだまだ少数ではありますが低解約返戻金型終身保険やネットバンクの定期預金、さらには個人向け国債など、準備する金融商品を別にしてる人も増えています。

 

特に国債は、発行元が国であること、元本保証があること、市場の変化に対応できることから、学資保険より安全かつ効果的との見方もあるようです。

そんなことを聞くと、改めて『学資保険は本当に必要なの?』と疑問に思ってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

たくさんの選択肢があるなかで、それでも学資保険を選ぶメリットはあるのでしょうか?またそれはどういった条件によって変わってくるのでしょうか。

 

ここから、学資保険の必要性を判断する上で知っておきたい4つのポイントについてご紹介していきます。

 

学資保険の要点

 

1 学資保険は貯蓄性が高い

 

学資保険の大きな特徴1つとして挙げられるのが、高い貯蓄性です。それぞれの金融商品と比較して見てみましょう。

 

積立定期預金

現在日本の積立定期預金の金利は0.02~0.2%程度です。毎月1万円を18年間積み立てた時の利息は3万9,301円になり、利子所得の20%を引くと純粋に残るのは31,440円になります。

 

一方、学資保険の利回り(返戻率)は、高いところで110%を越えるところもあります。各社プランや契約者の年齢により変動はするものの、30歳男性・お子さん0歳の契約なら利息は21万6,000円得られる計算になり、確かに積み立て定期預金よりは貯蓄性は高いと言えるでしょう。

 

5年~10年の短期間で保険料を払うプランなら返戻率を上げる事も可能になります。では、学資保険の対抗として評価も高い、個人向け国債との比較するとどうなるでしょうか。

 

個人向け国債

現時点(第53回・平成26年9月16日の発行条件)の個人向け国債の金利は10年変動型で0.34%なのに対し、学資保険は平均約1.3%(返戻率110%)なので、単純な比較では学資保険が圧倒している事がわかります。

 

しかし、契約時の金利が満期時まで固定される学資保険と違い、10年型、個人向け国債は市場の変化によって金利が変動するのが強みです。

 

具体的に比較してみましょう。個人向け国債は変動10年ものが最長なのに対し、学資保険は満期が18歳や20歳など運用期間が異なるので、個人向け国債は同額の元手で10年後にもう1度購入すること、学資保険は一時払い・満期は20年にすることの2つを条件にします。

 

学資保険/一時払い100万円、男性30歳・お子さん0歳・20歳満期(ソニー生命・III型)

 

返戻率 金利の変動 利益
114.6% 固定 12万7,745円

 

金利の変動仮定しだいで大きく変わるので、順調に上昇するパターンや、ある時期から下降するパターンなどで試算しますが、かなりざっくりとした仮定であることをご理解ください。

 

個人向け国債変動10年(53回)/元本100万円

 

購入時の金利 金利変動の仮定 利益 合計
0.34% 10年目まで毎年+0.05% 5万6,500円 15万2,000円
0.84%(仮定) 11年目から毎年+0.03% 9万5,500円
0.34% 20年連続で+0.02% 10万6,000円 10万6,000円
0.34%(仮定) 6年目まで毎年-0.05%

7年目以降は最低保障率の0.05%

1万4,900円 2万5,400円
0.06%(仮定) 11年目から毎年+0.01% 1万500円

 

個人向け国債は、金利がどう動くかによってリターンの差が大きく変化します。実際には、市場が怪しくなり出したら中途換金したり、逆に、金利のピーク時に期間3年や5年の固定金利型に預け替えたりと、買い手の対応次第なところがあります。

 

そういった見込みが苦手な人や、具体的にいついつまでに◯円貯めたいと考えている人には不向きだと考えられます。

 

また前提として、額面1万円から1万円単位で毎月購入ができるもの元本を積み立てているわけではないので、まとまった元手のない人には厳しはずです。

 

無理のなく着実に貯蓄を進める必要がある学資保険においては、あまりオススメできるような選択ではないと言えるでしょう。

 

1-1 強制貯蓄効果も貯蓄の助けになる

 

学資保険が貯蓄性の面で優れている要因として挙げられる二つ目の点は、強制貯蓄効果です。

 

現実的に、目的意識が希薄なまま決まった、お金を毎月貯め続けるというのは難しいものです。

 

月々のやりくり、マイホームやマイカーを持っている人はローンも負担になるでしょう。また、業績悪化からのボーナスカットや減給など、予想外ののトラブルで月々の貯蓄をやめてしまうというのはよくある話です。

 

その意味で、口座を毎月指定自動的に引き落とされ、中途解約すると元本割れをする可能性がある学資保険は、デメリットがある反面、強制的に貯蓄できるというメリットがあると言えます。

 

20~49歳の小学6年生以下のお子さんがいる主婦300名のうち、学資保険に加入している世帯(100名)と、そうでない世帯(200名)の月々の貯蓄額を聞いてみた所、月々の積み立て金額が1万円以下の割合の人は、学資保険未加入者のグループの方が多いという事がわかっています。

 

教育費用の足しになり得る150~250万円未満を貯めようと思えば、月1万円~2万5,000円の積み立てが妥当な額です。そう考えると、(結果的に)学資保険には、強制貯蓄効果があり、着実に貯めたい人や、貯蓄の苦手な人に適していると言えるでしょう。

 

なお、個人向け国債もいつでも自由に換金できるわけではないです。変動もの10年は発行から1年で解約でき、ペナルティとして利息80%相当を支払う仕組みになっています。

 

しかし学資保険に比べるとハードルは低く、ついお子さんのための貯蓄を切り崩してしまう…ということもなくはなさそうです。そこまで家計が厳しくなればそれが正解だと思います!

 

強制貯蓄効果も貯蓄の助けになる

 

1-2 親の万一の際にも安定して貯蓄できる

 

学資保険には貯蓄と保障という2つの面があります。保障性を追い求めると返戻率が下がり、貯蓄性を損なうため、この二点は相反するものとみなされることがあります。

 

しかし、この「保障」という側面があるからこそ、貯蓄を安定的にかつ安心して続けることができるのです。詳しく見ていきましょう。

 

1-2-1 学資保険の保障が貯蓄をサポートする

 

学資保険は、契約している親が死亡または高度障害状態になった場合に、保険金の受取権利はそのままに、以降の保険料の払込が免除になる仕組みがあり、これが良い点だと言う人も多いです。

 

このタイプの保険を連生保険といわれます。契約通りの受取プランで支払われるため、15歳時や18歳時など学費が必要なタイミングで受け取ることができます。名前のとおり、まさに学資保険ですよね。

 

ただ、この親の死亡時に払い込みが免除になる保障は、掛け捨ての定期死亡保険で代用することが可能になります。死亡保険金300万円・20年満了なら月額500円程度で加入できるようになります。

 

しかし、学資保険には、払込免除特約がほぼセットになっていることが多く、特約を外しても保険料はほとんど変わらないので別で定期保険に加入すると余計なコストがかかります。

 

学資保険の貯蓄性のまとめ

 

ここまでの章で見てきたように、金利の上昇を上手に捉えて運用することができる知識と技術をお持ちの方にとっては、個人向けの国債や他の金融商品の方が有利な場合があります。

 

ビジネス観点で市場を観察でき、万一の保障を別途用意できる余裕のある方には、学資保険である必要性はないと言えます。しかし、これはあくまでも「金融商品」としての話です。

 

学資保険は教育費準備の貯蓄商品であると同時に保険商品であるため、各種の保障が付加されています。契約者(親)が万が一亡くなった場合でも、その後の契約期間における保険料支払いが免除され、お子さんが万が一亡くなった場合には、一定の死亡給付金が支給されます。

 

他の商品と運用利回りを比べて単純に優劣を判断することは難しいと言えるかもしれません。

 

お子さんの将来のために、あくまでも堅実に、万一のリスクにも耐えられる確実な貯蓄を行っていきたいと感じていらっしゃる方にとっては、学資保険は優秀な商品だということができます。

 

まとめると、下記の2つの点にメリットを感じる方は、学資保険に加入することをオススメします。

 

  • 元手が少ない人でも比較的高利率で貯蓄ができる
  • 強制効果もあるので、意志が弱くても教育資金準備がしやすい
  • 万一のことがあっても貯蓄性が損なわれないような機能もある

学資保険の貯蓄性のまとめ

 

2 節税効果がある

 

学資保険の持つ節税効果というのは意外と多くの人が見過ごしているポイントです。学資保険の保険料は所得税控除の申請が可能なため、年末調整や確定申告で税金が戻ってくる可能性があります。

 

年末調整とは生命保険料控除は、更に加入している保険の種類によって、3つに分かれます。もちろん上限はありますが、この点は預貯金にはない、学資保険だからこそのメリットと言えるでしょう。

ではどのように年末調整で控除されるでしょうのか?

 

年末調整では、生命保険料を支払っていた場合に税金が控除される「生命保険料控除」という制度があります。

 

一般生命保険料控除の死亡保険、収入保障保険学資保険など、介護医療保険料控除の医療保険、がん保険など、個人年金保険料控除の個人年金保険、学資保険は、そのうちの一般生命保険料控除に該当します。

 

そのため、年間の学資保険の保険料に応じて、限度額まで税金が控除されます。

 

どのような税金が戻ってくるかというと、それは所得税と住民税の2種類です。

 

同じ一般生命保険料控除でも、これらはそれぞれ控除される額が変わります。

 

  • 所得税の場合は最高で40,000円
  • 住民税の場合は最高で28,000円

以上の金額が、税金の算出の基礎となる所得から控除されます。そのため、上記の金額に税率分をかけた税金が還ってくることになります。

 

預貯金はどれだけ積み立てていてたとしても、入金した分が控除されることはありませんが、学資保険であれば教育準備金を蓄えるのと同時に税金を減らすことができるのです。

 

苦労して積み立てたにもかかわらず、せっかくのお金が税金として取られてしまっては、モチベーションが下がってしまいますよね。

 

控除される金額自体は際立って大きいものではありませんが、そうした小さなモチベーションの積み重ねが、学資の貯蓄をより前向きなものに変えてくれるかもしれません。

 

「塵も積もれば山となる」という諺があるように、 契約スパンの長い学資保険においては軽視したくないポイントです。

 

節税効果がある

 

3 契約者の年齢が重要

 

ここまでのところでご紹介してきたように、学資保険にはさまざまなメリットがあります。それらを享受するためには、年齢やタイミングなどのポイントをしっかりと押さえておく必要があります。

 

ここからは、加入時にポイントとなるお子さんの年齢、契約者の年齢、そして加入月といったタイミングについて詳しくご紹介したいと思います。

 

3-1 加入時のお子さんの年齢について

 

学資保険に加入できるお子さんの年齢は0歳からです。生まれる前から契約できるものもありますが、あくまで仮契約なので、生まれてから正式に契約をする事になります。

 

年齢の上限は、5才までという商品や7才までという商品もあるので、一概に言うことができません。

 

満期になる年齢は18才とか22才などと決まっているため、加入するのが後になればなるほど、満期までの期間が短くなるため毎回の支払い金額が上がってきます。

 

18才満期200万円の学資保険に加入したという場合を想定してみましょう。0歳からの加入であれば月々の保険料は8,600円程度の保険であれば、3歳の時点で加入した場合月々10,900円ほどになります。

 

5歳頃になると月々12,800円くらいになってきます。そう考えると早く始めて満期時までの支払総額が一番少なくてすみます。つまり0歳での加入が返戻率が一番高くなるということです。

 

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