選択できる商品の幅が少なくなるだけでなく、家計の負担ともなってしまうため、加入が遅くなるのはデメリットでしかありません。なるべく早めの加入がおすすめです。
目次
3-2 加入時の契約者の年齢について
契約者の年齢については、学資保険はお子さんの年齢のみならず契約者である親の年齢も関わってきます。例えば、ある商品では契約者年齢を男性18歳から75才まで、女性は16歳から75才までとしています。。
「75歳まで契約できるの?」と疑問に感じられた方もいるのではないでしょうか。
契約者は親だけだとばかりに自然に思ってしまいがちですよね。しかし、契約者は父母だけでなく、祖父や祖母でもなることができます。
しかし、契約者の医療保障などの特約を付けている場合は契約者の年齢によって保険料が変動する場合があります。その際は一般的に契約者の年齢が若い方が金額が安くなる為、この件も注意が必要でしょう。
3-3 加入月について
学資保険においては何月に加入したかというのも重要になってきます。
18歳満期学資に契約日を9月1日として加入したならば、満期金額を受取れるのはお子さんが18歳(高校3年生)になった9月1日以降となります。この場合は、大学の入学のお金に間に合うので問題ありません。
しかし、3月1日に契約した場合はどうなるのでしょうか。
この場合は、高校卒業間近のタイミングで満期金を受け取ることになります。しかし、一般的に大学の入学金前もって納める必要があるため、せっかく契約しておいた学資保険の満期金を使うことができません。
そういった場合は、保険会社によって違いますが、17歳満期というような契約をとるのが一般的です。そうすることで、高校2年生で満期になるため余裕を持つことができます。
では、3月に生まれたお子さんが翌月の4月に契約した場合はどうなってしまうのでしょうか。お子さんの年齢を1歳とする保険会社なら18歳満期で問題ないです。
しかし、0歳とする場合には18歳満期だと、入学金が必要なときに満期金を手にできないということになるため17歳満期にするのです。
いかがでしょうか?年齢とタイミングについての説明でした。学資保険を考えてる人は、開始時期は早いに越した事はありませんので早くスタートする事をおすすめします!
4 お子さんの将来性に合わせて選択できる
お子さんの将来の選択の幅を広げるために活用したい、学資保険。お子さんの将来に対しどのようなビジョンを持っているかは、ご家庭の状況により様々でしょう。
そこでここからは、そのタイプに応じた学資保険の選び方をいくつかご紹介していきたいと思います。
4-1「お子さんへの愛を伝え、勉強のきっかけにしたい」
あなたが意志の弱さにより貯蓄をしていけるか不安、と懸念しているのであれば、貯蓄性のある学資保険に加入するという選択は正しいと言えるでしょう。実際そう考えて加入することが大半のようです。
しかし中には、ある程度金銭的な余裕もあり、毎月コンスタントに預金できるほどの一種の強さを持っている人でも学資保険を利用している人はいます。
そういった人達はどうして学資保険を活用しているのでしょうか。その理由は、学資保険には貯蓄性だけでなく、その根底に「お子さんのために」という感情があるからです。
幼い時ときには親と心が通い合っているわが子であっても、思春期になれば親に反抗したり疑ったりする可能性もあるでしょう。勉強もせずに非行に走ってしまう可能性も考えられます。
でもそんなときに両親が毎月お金を工面し、お子さんのために「学資保険』として積み立てている姿を見ていたら、と考えるとどうでしょうか。
親の愛を感じ、少しは勉強しようという気持ちを取り戻してくれるかもしれません。学資保険は預貯金に比べ、段違いにお子さんに与える影響力が大きいのです。
さて、このように考えて学資保険を検討していらっしゃる方は、返戻率が100%以上のものから最優先に選びましょう。元本割れしないものの中から商品を比較検討することをお勧めします。
払込保険料より戻ってくる金額の方が大きく、お得であるという点はお子さんのための何よりの安心なのではないでしょうか。
4-2「自分に万一のことがあっても、お子さんに教育を受けてほしい」
晩婚化が進んだ日本にあって、高齢出産などの理由により、お子さんが成人まで活躍できるか不安な人も少なくないでしょう。
そのような方は、仮に自分がなくなってしまったとしても残されたお子さんが満足のいく教育を受けることができるようにと学資保険に加入している方が多いようです。
選び方は、保険契約者が亡くなった場合に、以降の保険料が免除されるもの、また亡くなった日から保険期間満了まで被保険者へ育英年金が給付される商品を中心に検討すると良いでしょう。
万が一に備えた保障が充実した学資保険は、そのほとんどが返戻率100%を舌のある商品です。そのため、貯蓄の面では物足りなく感じるかもしれませんが、万が一に対する保障が手厚いので安心です。
返戻率は低いものの、あくまで通常受け取る分の金額が死亡時の保障などにへ割り当てられているため、決して損をしているわけではありません。
4-3 「お子さんに万一のことがあったときに備えたい」
身体が弱い、もしくは活発すぎてよく怪我をすると言った傾向があるお子さんがいらっしゃるのであれば、入院の心配が出てくるでしょう。
親として当然心配に感じるところですが、わざわざ医療保険に加入するほどかと言われると明確な返答はしてないかもしれません。
学資保険であれば貯蓄と必要最低限の保障を両立して行うことができる商品もありますので、そのようなニーズを抱えていらっしゃる方にはお子さんに対する医療保障が充実した学資保険を選ぶことをオススメします。
但し、商品によって保障範囲となる怪我や病気の種類が決まっているため、契約時にはどのような病気やケガがカバーされているのかをしっかりと確認しておく必要があります。
4-4 「明確なビジョンはないが念のための保障をしておきたい」
ひとまず、お子さんの人生をどのようなものにしてあげたいのか、という点を含めて家計の将来についてよく考えて見る必要があるでしょう。
とは言っても何が起こるかわからないこの世の中、漠然とした不安感を感じている、という方の気持ちも非常に理解できます。実際、加入者の中にはそういったパターンの方も多いようです。
学校に通う年齢になると、もしかしたら他人の子さんに怪我をさせてしまう可能性も出てきます。お子さん同士のケンカは大なり小なり仕方のないことではありますが、万が一ケガをさせてしまった時の責任などは親が負う必要があります。
全ての可能性を検討し始めると収拾がつかなくなってしまいますが、それでも念のために何らかしらの備えをしておきたいという方は。保障が手厚いタイプのものを選んでおくことをお勧めします。
お子さんがどこかで物を壊してしまった場合にも給付金が下りるような、対人だけではなく対物も補償してくれるタイプの商品も販売されています。
ご家庭に起こして学資保険のどんなところを重視するかは本当に様々です。しかし、それだからこそ、一度しっかりと立ち止まって、ご夫婦揃って将来の家系について考えてみる機会を持つのは重要です。
備考:「学資保険 = 郵便局」は時代遅れ?
学資保険は郵便局のものという考え方はもう時代遅れです。ここまででご紹介してきたように、学資保険は教育費のための貯蓄方法として有効である場合が多い保険商品です。
しかし、郵便局(かんぽ生命)で販売されている学資保険は、払い込んだ保険料総額より、受け取る満期金が少なくなる場合がほとんど。すなわち元本が割れてしまう場合が多いんです。
初めてお子さんを授かった時、経験豊富な自身の親御さんや、もしくは歳の離れた上司に相談するという方が少なくないようです。
かんぽ生命の学資保険というのは、とりわけそういった層の方々の間で根強い人気がある 商品です。勧められるがままにかんぽ生命の学資保険を契約してしまい、長期的に見て損をしてしまったと後悔する声も上がっています。
学資保険を教育費準備として活用する場合、その人のアドバイスが本当に自分にとって有益なものなのかを冷静に判断する必要があります。そこで今回は、かんぽ生命が販売している学資保険の特徴についてもう少しお話ししておきたいと思います。
かんぽ生命の学資保険の特徴
そもそも学資保険を日本で初めて販売したのは郵便局なのです。
かんぽ生命の学資保険は全国約2万か所の郵便局で取扱販売され、その圧倒的な先行優位性と販売力を生かしてシェアを拡大。かつては「学資保険といえばかんぽ生命」というイメージを確立していました。
ところがここ最近、そのシェアは大幅に落ちこんできています。その理由は、高利回りの商品を民間生保が次々と投入してきているからです。
様々な保障がついたかんぽ生命の学資保険は、払った保険料の総額を、学資として受け取る満期金が下回るという、実質的な元本割れをしてしまっています。
それに対し民間生保が販売する商品は、満期金が保険料総額より多く、返戻率は総じて100%を上回っているものが大変多いのです。
参考までに、主な民間生保の学資保険の返戻率の例をあげてみます!
第1位 フコク生命 未来のつばさ 111.4%
第2位 アフラック 夢見る子どもの学資保険 105.3%
第3位 ソニー生命 学資保険 105.0%
いずれも、契約者である親は30歳で、被保険者である子は0歳時に加入、高校入学時または大学入学時に満期金を受け取るというパターンを想定して試算したものです。
各社で満期時の設定や満期金の受け取り方・頻度は様々で、全くの同一プランではないとはいえ、返戻率が100%を切ってしまうこともあるかんぽ生命の学資保険と比べると、その返戻率の高さがご理解いただけるでしょう。
一方、かんぽ生命の学資保険は、返戻率が99%程と若干元本割れてしまう設定になっている理由は、保障機能とお子さんの医療保障が特約で付加されているからです。
少しでも有利な貯蓄方法を見つけたい子育て世代にとっては、元本割れは避けたいと考えるご家庭の方が多いでしょう。
その視点に立って、お子さんの医療保障は本当に必要かどうかを合わせて考慮した時、自然に考えるとかんぽ生命の学資保険は選択肢から外れてきそうです。
資金を準備する上で大切なことは、ご自身の家計にとって、資金準備をする上で何が重要なことなのかを考える事です。
しかし考えるといっても、入学金や授業料といった教育資金が必要な時期は通常、お子さんが生まれた時点で、ある程度予測できる場合が多いでしょう。
お子さんの入学時期を1年や2年遅らすことは、現実的に考えて不可能ですので、仮に教育資金が不足してしまったとしても、その埋め合わせのため、運用期間を延長したりすることはできません。
つまり、教育費が必要な時期が決まっているのであれば、15年もしくは18年といった長期の準備期間があるとはいえ、運用で大きく失敗してしまったり、初めから想像することが分かっている元本割れの学資保険に加入し たりするのは極力避けたいということです。
その点で、教育費準備は、ある程度のリスクを覚悟で利益を期待する住宅取得資金や老後資準備と性質が異なる物だと理解する必要があります。
教育費準備はライフプランの中で避けて通ることのできないイベントです。繰り返しになりますが、教育資金が必要な時期なのに、準備していた資金が想定より貯まっていない、もしくは運用が失敗して、資金が大きく目減りしてしまうことは絶対に避けたいですよね。
よって、原則として、リスクのある資金運用手段は、教育費準備としてはふさわしくないのです。株式投資で、教育費を準備するという人は稀にいるようですが、お世辞にもお勧めできる方法とは言えないでしょう。
最後に申し上げておきますが、かんぽ生命の学資保険を全否定しているわけではありません。保障機能や会社の健全性など、重視する項目は人それぞれなので、返戻率の高さ(貯蓄性の高さ)だけで、商品の有利・不利を断じるのはナンセンスです。
教育費準備の手段として、学資保険はこれからも、子育て世代にとって有力な選択肢であり続けるでしょう。
しかし、もしかするとこの先の経済・金融情勢の変化により、さらに有利な選択肢が登場してくる可能性もあります。
「学資保険といえばかんぽ生命」が時代遅れということをお伝えしてきましたが、いずれは「教育資金の準備といえば学資保険」という考え方自体が古いものになってしまうかもしれません。
広いビジョンをもち、長期的に検討し、自分にあった運用方法を比較検討することをオススメします。
まとめ
冒頭でお伝えした通り、お子さんが生まれた時に多くの形を検討する学資保険ですが、必ずしも今の時代必ずしも加入すべきというわけではありません。
まずはどのような家庭を育んでいきたい、そのために本当に必要なのは何か、それはなぜなのかという所をしっかりと時間をかけて検討することをお勧めします。
そうすることで、学資保険に加入する目的を明確になり、学資保険の比較検討にかかる労力や時間を大幅に削減できることでしょう。
妊娠後期や出産直後は往々にしてまとまった時間を取るのが難しくなってしまいがちです。お母さんを身ごもった時点から、余裕を持った比較検討を心がけていただければと思います。
あなたのご家庭の状況にぴったりの学資保険が見つかることを願っております。