突然ですが質問です。学資保険を検討する際、返戻率と同じぐらい重要なポイントを知っていますか?
そう、それは『いつから入るか』です。
お子さんを育てるにあたって、綿密な計画を立てておきたい教育費。4年制大学の卒業までを想定した場合、教育費はかなりの額になってきます。
幼稚園から大学まで全て公立に通った場合でも、その総額金額は1000万円以上。仮に全て私立に通うのであれば2000万円以上かかると見ておいたほうが良いでしょう。
教育費をしっかりと備えておかないと、将来お子さんの選択肢を狭めてしまうことにもなりかねません。
そのための手段として多くの方が学資保険に、さらに言えばなるべく返戻率の高い学資保険に加入しようと考えていらっしゃるのではないでしょうか。
「どれだけの金額を払えば、どれだけお金が帰ってくるのか」を一目で判断することができる返戻率は、確かに学資保険の中で最も重要な項目の一つです。
しかし、その返戻率も、いつから入るかによって変動する場合があるんです!
それだけでなく、学資保険によって受られる保障の内容も、いつから入るかで変わる場合があります。いつから入るかを見極めることで、同じ金額を払っていてもより多くお金を受け取れたり、万が一の際にも保障を受けることができたら嬉しいですよね。
そこでここでは、学資保険を活用する上で気になる、三つの「いつから?」についてご説明します。
学資保険のいつから ①加入
学資保険のいつから ②払込完了
学資保険のいつから ③給付金受取り
よりお得に、より安心して学資保険を活用できるよう、「いつから?」というタイミングを抑えていきましょう。
目次
学資保険のいつから① 加入
学資保険で重要な三つのタイミング。
まず一つ目は「どのタイミングで学資保険に加入すれば良いのか」に焦点を当てて考えていきましょう。
この章では、具体的に何歳から加入することができるのかを抑えた後、どのタイミングで加入するのが最適なのかと、そのタイミングで加入するメリットについてお伝えします。
そして、最適と思われるタイミングで加入した際の試算をご紹介し、本章を締めくくりたいと思います。
1-1 学資保険に加入できるのはいつから?
学資保険はいつから加入することができるのでしょうか。
ご存知の方が多いかもしれませんが、学資保険は被保険者であるお子さんの年齢によって加入に制限が設定されています。主な保険会社が販売している学資保険の、加入できる年齢の範囲を表にしてみました。
生命保険会社 | お子さんの加入年齢制限 |
ソニー生命(学資保険スクエア) | 0〜3歳/5歳/9歳/11歳/13歳 |
アフラック(夢みるこどもの学資保険) | 0〜7歳 |
フコク生命(学資保険みらいのつばさ) | 0〜7歳 |
日本生命(ニッセイ学資保険) | 0〜8歳 |
第一生命(Micky) | 0〜8歳 |
住友生命(こどもすくすく保険) | 0〜9歳 |
明治安田生命(こどものほけん) | 0〜6歳 |
かんぽ生命(新学資保険) | 0〜12歳 |
一般的に、加入できる目安は小学校低学年まであたりとなっています。それ以上になってくると、加入可能な商品自体が減り、選択肢が狭まってしまうので注意が必要です。
1-1-1 学資保険は妊娠中から加入できるものも!
上記の加入年齢には「0歳〜」と表記していますが、母子の健康状態が良好な場合に限り、出産予定日の140日前から加入が可能な商品もあります。
正常な妊娠持続日数は280日と言われているため、出産予定日の140日前はちょうど妊娠中期にさしかかったあたりですね。徐々に胎動を感じることができるようになり、お子さんがより身近に感じられるようになるタイミングです。
さて、ここまでで学資保険に加入できる時期を確認してきました。では、返戻率などのメリットを踏まえ、学資保険にはいつから加入するのがベストなのでしょうか。
1-2 学資保険へはなるべく早くからの加入がお得!
学資保険に加入するベストなタイミングはいたってシンプル!「なるべく早く」が原則です。0歳から加入できる学資保険であれば出生と同時に、妊娠中からの加入が可能であれば妊娠中から入っておきたいところです。
その大きな理由は以下の二点です。
- 親御さんの年齢が若いので保険料を抑えられる
- 払い込み期間が長くなることで月々の支払額を抑えられる
仮に、お子さんの大学入学に備えて100万円を目標金額にするのであれば、7歳で加入すると11年で積み立てる必要があります。それに対し、0歳から加入していれば、18年もかけてゆっくりと積み立てることができるのです。
また、お子さんが0歳の場合に比べると、7歳のほうが親御さんなどの契約者も年齢が高くなります。それに伴ない、保険料自体も高くなってしまうのです。
お子さんの成長につれて、塾や部活動等、何かと出費がかさんできます。その上に、学資保険への加入が遅れたことで大きくなった保険料負担が重なれば、最悪の場合中途解約を余儀なくされる可能性もあります。
学資保険は、保険料の払い込みを完了し、満期を迎えた場合にのみ高い返戻率が設定されています。もし中途解約をしてしまうと、帰って来るお金は払込んだ保険料を大幅に下回ってしまうでしょう。
そのため、契約を満了できるように、毎月の保険料支払い負担が軽くなる早期からの加入が理想的と言えるのです。
1-2-1 学資保険に妊娠中から加入する3つのメリット
上の項目で、妊娠中から加入できる学資保険であれば妊娠中から加入しておくのが理想的とお伝えしました。それには、一回あたりの保険料負担が軽くなるというメリットを除いて、以下の3つの利点があるからです。
1) 出産後より余裕がある
お子さんが生まれると、生活は一気に慌ただしくなるでしょう。そんな中では、学資保険を検討したり、加入に際しての書類を準備するのが意外と大きな負担になってきます。
慣れない育児に奔走している間に、学資保険に入るタイミングを逃し、いざ入った頃には毎月の保険料負担額が大きくなってしまった、ということも考えられます。
対して、安定期に入っている出産140日前であれば、検討や手続きのために十分な時間を割き、スムーズに学資保険に加入することができるでしょう。
この貴重なタイミングに、ご夫婦揃って、公立と私立どちらに通わせたいか、医療保障も備えておくか、今後もお子さんを設けたいか、といった、教育方針や家族設計を含めた話し合いさせておきたいですね。
2) 学資保険で出産時の万が一に備えられる
学資保険に妊娠中から加入しておくと、その時点から契約者も保障の対象となるります。この点も大きな利点と言えます。
これはどういうことかというと、契約者が母親であれば、出産の際に母親が亡くなってしまったとしても、契約通りの保険金を満額受け取ることができるばかりか、それ以降の保険料が全額免除されます。
日本において、出産時に母親が亡くなってしまう確率は約1/6000程度と言われており、決して高い確率ではありません。(出典:日本ユニセフ)しかし、この保障があるのとないのでは精神的に大きな差が出てくるでしょう。
親御さんの心理的負担を軽減するという意味でも、妊娠中の加入がオススメです。
3) 妊娠中、お子さんの万が一にも備えられる
保険を選ぶときには、あまり考えたくないことであっても、最悪なパターンを客観的に想定し、それをカバーできる方法を選択することが重要です。
お子さんのためを思って加入する学資保険において、最悪のパターンとはお腹の赤ちゃんが亡くなってしまう、ということですよね。この場合であっても、妊娠中に加入していることで契約自体が無効となるため、すでに払い込みんでいる保険料も返還されます。
妊娠中に学資保険へ加入しておくことで、メリットは数多かれどデメリットはありません。生まれてくるお子さんのため、そしてその命を授かっている母親のため、可能なものであれば妊娠中に加入しておくことをお勧めします。
1-3 加入タイミングによる負担額変動の試算
ここまでの項目で、なるべく早期に学資保険に加入時期するのが良いとお伝えしてきました。先にもざっくりとしたシミュレーションはご紹介しましたが、ここでは少し詳しく、実際の商品を交えて試算をしていきたいと思います。
今回、例として取り上げるのは、フコク生命が販売している学資保険「みらいのつばさ」(無配当学資保険)J(ジャンプ)型です。
「満期は22歳とし、満期保険金は100万円、大学に入学する18歳の時点で祝金を受け取る」というプランで、契約者は35歳の父親、被保険者の性別は男の子と想定します。
お子さんの加入年齢 | 保険料払込期間 | 月払保険料 | 保険料合計 |
0歳 | 18年 | 8,343円 | 1,802,088円 |
5歳 | 13年 | 11,913円 | 1,858,428円 |
(*兄弟割引適用なし、平成25年11月現在)
まずは、お子さんが生まれて間もない0歳の時、もしくは妊娠中に加入した場合について考えてみましょう。
大学の入学費用のために、22歳の満期時の100万円とは別に、祝金として100万円を受け取れるに18年間払い込みんだ場合、毎月支払う保険料は8,343円となります。
受け取ることのできる学資金は200万円となり、払った保険料の総額に対して約20万円ほど多く受け取ることが可能となります。
次に、お子さんが5歳のタイミングで全く同じ条件の学資保険に加入した場合を考えてみましょう。すると。毎月支払う保険料は11,913円となり、0歳時点で加入した場合と比較すると約1.4倍になってしまいます。
その上、受け取ることのできる学資金は、払った保険料の総額に対して約14万円増となります。0歳時に加入した場合と比べて毎月の負担が大きくなる上、受け取ることができる学資金の総額も6万円程度少なくなってしまうのです。
このように、なるべく早いタイミングで学資保険に加入しておくべきなのは明らかですよね。
少し煩雑で、後回しにしがちな学資保険。しかし、なるべく早く加入することで月々の負担も軽くなるばかりか、受けれる金額も増えます。
それだけでなく、妊娠期間中の時間を有効活用し、ご家族で人生設計について意見を通わせる良い機会にもなります。家計、そして家庭を安定した状態に保つため、余裕を持って準備しておきたいところです。
学資保険のいつから ②払込完了
これまで見たとおり、学資保険加入のタイミングは早いに越したことはないようですね。ここからは、学資保険で重要な二つ目のタイミングとして「保険料の払込はいつまでに完了させればよいのか」という点について考えていきます。
学資保険は一般的に、加入から契約満了までの期間が長ければ長いほど返戻率が高くなります。より長い期間お金を預けてくれたら、返ってくる金額も多くなる、ということですね。
それでは、お金を払っていく期間についてはどうなのでしょうか。なるべく早くお金を払い終わってしまうのがお得なのか、はたまたゆっくりと時間をかけてお金を払っていくのがお得なのか。
察しの良い方はすでにどちらの方が良さそうか、イメージできるのではないでしょうか。さて、詳しく見ていきましょう。
2-1 学資保険はなるべく早い払込完了がお得!
学資保険の保険料は、なるべく短い期間のうちに払込を完了させた方がお得になります。
この理由は、学資保険が ”なるべく長期間”、”なるべくたくさん” お金を預けた分だけ、返戻率が上がりお得になってくるからです。
前章でご説明した学資保険への早期加入は、早い時期から継続してお金を預けることになるので、”なるべく長期間”、”なるべくたくさん” という法則に当てはまっていますよね。