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3-1-1:一般の方は18歳が多数派、プロは17歳を支持!
統計データを見ると、一般の方のうち6割ほどが満期金の受け取りを18歳に設定しているようです。
しかしその一方で、ファイナンシャルプランナーなど有識者は17歳での受け取りを支持している方が多いようです。
受け取り金額が前倒しになる分、毎月の貯蓄が若干シビアになってくる可能性もあります。
しかし、不測の事態を見越すのであれば17歳を選ぶのが妥当なようです。ぜひ参考にしてみてください。
3-1-2:大学進学後も見据えた判断を!
一番ベターなのが17歳満期のタイプ、ということをお伝えしましたが、やはり重要なのはご自身の状況に最適なものを選ぶこと。
大学進学において初年度の負担が一番大きいのは間違いありませんが、次年度以降も100万円近いお金がかかります。
それに加え、大学から自宅が遠ければ一人暮らしをする必要も出てくるでしょう。そうすると、仕送りや就職活動の為のお金など、純粋に大学に収めるべきお金以外に出費がかさんでくることが想定されます。
そんな場合には、大学初年度だけでなく、次年度以降も満期金の一部を分割して受け取れる商品を選ぶという選択肢もあります。
そのあたりを柔軟に選択できるタイプの学資保険が人気を集めている、ということを見ても、家計の状況と相談をしながらご自身に最適な商品・そして満期日を選択するのが最善と言えるでしょう。
3-2:祝金付きが便利!
教科書、制服、備品、入学金などなど、お子さんが学校に入学する時は何かと準備するものが多く、出費がかさみがちです。それに対する備えとして便利なのが、先ほども少しご紹介した「祝金」です。
6歳、12歳、15歳、18歳といったように、小、中、高校、大学の入学時期に合わせて支払った保険料の一部を受け取ることができるこの制度。
最近は満期保険金に祝金がついた「祝金付学資保険」が人気を集めており、各保険会社もこれらの商品に力を入れています。
祝金を受け取れるタイミングは商品によって異なります。例えば、満期を22歳設定した場合に、幼稚園から大学まで全入学時期に合わせて祝金を受け取れるものもあります。
従って、物入りのタイミングでお金を受け取ることができる「祝金付学資保険」は使い勝手の良い機能と言えます。
数回に分けて受け取ることができ、便利な祝金。
その上、この祝金があっても返戻率に大きな影響はない、という点も嬉しいポイントです。祝金が付いていても返戻率が110%を超えるような商品もあります。
そうはいっても、祝金を受け取る回数が多くなるほど、当然その返戻率は下がる傾向にあります。
返戻率を極力キープするのであれば、22歳満期であっても大学入学時のみの1回にするか、もしくは比較的お金がかかる高校入学時も含めた2回祝金のものを選ぶのが良いでしょう。
また、学校入学時であっても金銭的に余裕があり、祝金が不要なのであれば、祝金を受け取らずに保険会社にセーブしておく「据え置き」という制度を活用することができます。
この「据え置き」のおかげで、家計に余裕がある場合でもさらに堅実な貯蓄をすることができます。
仮に祝金が無いタイプにしてしまうと、出費が重なった時に最悪の場合、学資保険を解約することになるかもしれません。
そうなってしまっては、せっかく学資保険を契約した意味がありませんよね。
- 返戻率に与える影響が比較的小さい
- 出費がかさみがちな小中高の入学時期にお金を受け取れる
- 受け取り時の状況次第で据え置きもできる
といったメリットが享受できる「祝金付学資保険」。
必要なタイミングで受け取ることもでき、受け取らないにしても銀行よりも高利率。浪費癖が激しく、手元に入ったお金は使わずにはいられない!といった極端な場合を除けば、よほどの事情がない限り、付けておいた方が良いでしょう。
学資保険の選び方 4:払い込み完了のタイミング
お子さんの将来の進学に備えて教育資金を貯蓄しておくことを目的とした学資保険。
その払い込みをいつまでに終えておくよう設定しておくのか、というのも重要なポイントとなります。
払い込みの期間によって返戻率は変動してきます。毎月の家計の負担を考慮に入れ、なおかつ貯蓄性も担保することには、いつごろまでに払い込みを終えておくのが良いのでしょうか。
4-1:ベストは10-15歳までに払い込み完了!
学資保険は払込期間が短いほど返戻率が高くなり、貯蓄性が上がります。そのため、有識者の中でも大多数が、10年ほどで払い込みが終わる短期払いのものを勧めています。
短期払いに設定するメリットとしてもう一点あげるとすれば、お子さんに本格的にお金がかかり始める時期で保険料を負担しなくて済むという点です。
お子さんが小さいうちであれば、必要なお金と言っても大抵の場合は家計に大きな影響を及ぼすほどではありません。
しかし、成長するに伴って生活費は次第に膨らんでいくもの。小、中学校と公立に通っていても、高校から私立になる、というケースも考えられます。
そんな義務教育後の負担にも対応できるよう、早い段階で支払いを完了させておく方が金銭的にも精神的にも余裕を持つことができるでしょう。
学資だけにとどまらず、早くから貯蓄をしておく癖をつけておくというのは、家計を維持する上でもとても肝要なこと。早めに払い込みを済ませておくのが賢い選択と言えそうです。
4-2:収入が不安なら18歳or契約満了まで
短期で払い込んでしまった方が、返戻率は上がりかつ義務教育後にゆとりを持つことができます。
しかし、短期的に払い込む必要があるため、十分な収入を確保できていない家計にとっては負担が大きくなりすぎてしまうことも考えられます。
お子さんの将来のための保険料とはいえ、支払ってしまえば他の用途にお金を使うことができないのも事実。蓄えが少なければ、急な出費に現金が不足してしまうことも十分に考えられます。
そういった可能性があるのであれば、比較的長期的な払込期間を選択することも視野に入れた方が良いかもしれません。貯蓄性ばかりを優先するよりも、無理のない学資準備を目指すのであれば、検討する価値はありそうです。
将来のリターンを大きくするよりも、現在の負担を軽くして、まず収入を安定させるということですね。
多少ネガティブな考え方にも聞こえますが、先にお伝えした「払込免除」という学資保険の機能を活用するのであれば、返戻率を多少犠牲にしたとしても、学資保険に加入するメリットは享受できるでしょう。
4-3:お金に余裕があれば全期前納払い!
お金に余裕がある方の場合は、全期前納にすることで貯蓄性をアップすることができます。
全期前納とは、全期間分の保険料を支払う方法のことを指します。全期前納と同じように、全期間分をまとめて支払う「一時払」という方法もありますが、この違いについては後ほど詳しくご説明します。
一般的に、貯蓄性に重点を置いた学資保険の場合、保険料を払い込む回数が少ないほど返戻率が高くなります。
この全期前納での払込は、先ほどから何度も登場している「払込免除」という学資保険のメリットを生かしたまま、返戻率を最大化できる支払い方法なのです。
もちろん、全期分の保険料を一括で支払うことができるほどの金銭的余裕が必要となります。
しかし、その返戻率の高さゆえ、同じ満期金を受け取るのに必要な保険料は、払込回数が多い場合に比べて断然低くなります。
このように「教育資金の貯蓄のため」というよりは、「貯蓄を兼ねた運用」といった選択肢として学資保険を活用できるだけの余裕がある方にとっては、十分価値のある学資保険の選び方といえるでしょう。
ところが、注意しなければならない点が全くないわけではありません。それは、満期日までの物価上昇のリスクです。満期日までの間に、現在より物価が上昇するという可能性も十分考えられます。
当然、払込回数を多く設定した場合に比べ返戻率が高いため、よほどのことがない限り銀行に預金するよりは高い利回りが期待できます。
しかし、株や投資信託といった他の金融商品などと比べるとそれほど良い利回りとは言えません。
一括で支払う金銭的な余裕があるのであれば、他の金融商品でしっかりと運用すればさらに高い利回りで運用できる可能性が高いでしょう。
もともと我が子の将来のため、確実に学資を蓄えるために利用する学資保険。リスクをとって運用するのであれば、他の利回りの良い商品で運用する、というように分けて運用した方が良いと考えることもできます。
ケースバイケースですが、無理をして全期前納をする!と意気込むぐらいであれば、無難に払込回数を分けた方が良いかもしれません。
4-3-1:全期前納払いと一時払
全期間分の保険料をまとめて支払う方法としてご紹介した「全期前納」と「一時払」。どちらもともに全期間分の保険料を払い込む、という点では同じなのです。では、一体この二つは何が違うのでしょうか。
その違いとは払い込まれた保険料の扱いの性質にあるのです。「一時払」は、全期間の保険料を一括で支払い、保険会社が受け取ることによって保険料の支払いが完了となります。これはイメージし易いですよね。
対して「全期前納」も、全期間の保険料を保険会社に支払うというところまでは同じです。そこからその保険料を一旦保険会社が預かります。そして、契約者が支払う代わりに毎年保険料を支払っていくのです。
このような違いによって、どちらも全期間分を払い込むにもかかわらず、保険料の返戻率は全期前納よりも一時払の方が高くなるという特徴があります。
では、同じように全期分を一括で支払うのに、なぜわざわざ返戻率が低い「全期前納」という方法が存在しているのでしょうか。
それは、その支払いの形式の違いがそのまま様々なシーンに影響を及ぼすからです。一体どんな状況なのでしょうか。
顕著な例が、「払込免除」が必要になった場合です。毎度おなじみといった感じですが念のために復習しておくと、契約者(親)が亡くなった場合、その後の保険料の支払いが免除されるというものでしたよね。
一時払の場合は、すでに支払いが終わっているため払込免除が適用されません。
したがって、満期までの間に親にもしものことがあっても、すでに支払っている保険料は払い戻されないというリスクがあるのです。
ところが、全期前納を選んだ場合は違います。契約者が支払う回数は実質一回ですが、預けた保険料を保険会社が断続的に支払っていくため払込免除が適用されるのです。
すなわち、満期前に契約者が死亡しても、支払いが残っている保険料が帰ってくるのです。
こういった仕組みの違いがあるので、どちらも先に全期間分を払い込むにもかかわらず、保険料の返戻率は全期前納より一時払の方が高くなっているのです。
まとめると、最も返戻率が高いのは一時払いですが、学資保険の保険的メリットを損ないたくない場合には全期前納にした方が賢い選び方といえます。
学資保険の選び方 5:加入するタイミング
さて、いよいよ大詰めです。ここまでご紹介してきた学資保険についての情報から、ご自身が理想とされる学資保険の形がなんとなく見えてきたのではないでしょうか。
最後にご紹介するのは、学資保険はいつ加入しておくベストなタイミングについてです。
多くの方が、お子さんを授かった時、あるいは結婚後そろそろお子さんを設けようか、というタイミングで検討するのではないでしょうか。そのような場合に生じる、妊娠している間とお子さんを出産した後、どちらのタイミングで加入した方が理想的なのか、という疑問にお答えしたいと思います。
5-1:万が一に備えるなら、妊娠中の加入!
出産後の支出を含め、ある程度金銭的のプランニングができているという場合には、出産前に契約しておくことをお勧めします。
払込の期間が長くなるため一回の払込が分散され負担が少ないというメリットもありますが、最も大きな理由は”保険的”側面にあります。
それは、出産に当たって契約者にもしものことがあっても、その後の保険料の支払いは免除される、かつ満期保険金等を予定通り受け取れることができる、という点です。
大切な出産のタイミングで契約者が亡くなってしまう、というのはあまり考えたくないことですが、将来のため不測の事態も想定しておくに越したことはありません。
また、出産後は育児に手がかかったり、行政への手続きに時間を割かなければならなかったりと、学資保険の契約まで👐が回らないことも。
比較的安定した時間がとりやすい産前のうちであれば、しっかりと時間をかけて契約しておくことができるでしょう。
もちろん、出産後でも損をしてしまうわけではありません。しかし、学資保険の制度を上手に活用するのであれば、妊娠中に加入するのが賢い選択です。
時間や気持ちの面で余裕を持っておくことで、最重要である母子の健康維持や育児に集中することができるでしょう。さらに、もしもの場合に対する備えまで可能である、という点も大きなメリットとなります。
場合によっては実際にお子さんが生まれてからの方が支出のプランニングがしやすい、といった意見もあるかもしれません。
そんな場合であっても、最低でも学資保険のプランやシミュレーションは妊娠中から行っておくのが賢明です。
学資保険の選び方/5つのポイント:まとめ
以上、学資保険を選ぶ上で押さえておきたい5つの基準をご紹介してきました。最後におさらいすると、
- 学資保険を選ぶ際は、返戻率をベースに考える
- 保障型よりも貯蓄型の学資保険を選ぶのが理想的。払込免除は必須
- 満期のタイミングは17歳が理想。祝金は活用したい
- お子さんが10-15歳までの間に無理なく払込を終わらせるのが理想
- ある程度金銭的な見通しが立っていれば、妊娠中に加入したい
となります。あくまでこれは、無理なく学資保険を運用するための一般的な考え方の指標です。ここをベースとして、ご自身のご家庭の状況に応じて取捨選択することをおすすめします。
学資保険はあくまでも確実に教育資金を備える商品です。その考え方のもと、我が子のためにしっかりとした計画を立て、学資保険を利用してくのが理想的です。お子さんの将来を考え、この記事をご覧いただいた皆様のお役に立つことができたら幸いです。
(データ出典:ウィメンズパーク)